平成の時代から在宅ワークとして人気のテープ起こしですが、最近では音声入力の技術が発達してきて、仕事が少なくなっているのではないかと思う人もいるかもしれません。
最近でもテープ起こしの仕事は一定数募集されており、今後もしばらくは需要があるものと思われます。
ここでは、テープ起こしの在宅ワークについて、仕事内容や必要なスキル、報酬などについて見ていきます。
テープ起こしの在宅ワークに興味のある方は参考にしてみてください。
文字起こしとテープ起こしの違いは?
まず、テープ起こしとよく似た仕事で“文字起こし”というものがありますが、テープ起こしと文字起こしは何が違うのでしょうか。
“文字起こし”がテープ起こしと同じ意味で使われていることも多いですが、テープ起こしは音声を聞いて文字に起こす作業で、文字起こしは手書きで書かれているアンケートやメモなどの資料をテキストデータに起こす作業のことを指す場合も多いです。
実際にクラウドソーシングサービスで募集されている案件でも、音声データを書き起こす作業を文字起こしと言っていたりもするので、その辺りはあまり気にしなくても良いかと思います。
テープ起こしの基礎知識
では、テープ起こしの在宅酸素では具体的にどういう作業をするのでしょうか。まずは基礎知識を押さえておきましょう。
素起こし
素起こしとは、名前の通り聞こえた音声をそっくりそのまま文字に起こすもので、「あのー」や「えーっと」など、意味を持たない言葉(有声休止)まで文字として書き起こします。
普通はこのような意味を持たない言葉は省いた方が良いのでは?と思うかもしれませんが、実は、裁判に提出される証拠資料や、カウンセリングの資料などについては素起こしで一言一句正確に入力することが求められます。
けばとり
「けば」とは、「あのー」や「えーっと」などの意味を持たない言葉のことで、けばとりの場合は音声を書き起こす際にこれらの言葉を除きます。
けばとりは、口語のまま書き起こしたいが不要な言葉は削除して読みやすくしたい、対談やインタビューの場合によく使われます。
整文
整文は、「あのー」や「えーっと」などのけばも削除した上で、口語を文語に直して正しい日本語に文章を整える方法です。
例えば音声データの文章が
「今日はね、朝から動物園行ってきたよ」だったとすると、
書き起こす文章は「今日は朝から動物園に行ってきた(ました)。」となります。
テープ起こしの在宅ワークに必要なスキル
テープ起こしの仕事は初心者でも簡単にできるというわけではなく、必要なスキルや能力があります。
タイピング
テープ起こしに必要なスキルとして最も重要なのが“タイピング”のスキルです。テープ起こしでは、速く正確に文字を入力するスキルが求められます。
タイピング速度が遅いと音声の速度についていけず、何度も聞きなおすことになり、作業が前に進みません。また、タイピング速度が速くても打ち間違いが多ければその分作業にも遅れが出ます。
正しい日本語の知識
テープ起こしの在宅ワークでもう1つ重要なのが“正しい日本語の知識”です。正しい日本語の知識がないと、漢字の同音異義語でミスをしたり、聞きなれない言葉があるとそこで作業が止まってしまったりしてうまく進められません。
音声や動画データの内容にもよりますが、日本語検定2級、漢字検定2級くらいの知識は最低限必要だと思います。
クラウドソーシングなどで募集されているテープ起こしの仕事の場合は、ほとんどが「けばとり」もしくは「整文」ですが、どのような方法でテープ起こしをするか指定されていない場合も多いです。
テープ起こしの仕事を受ける場合は、どのような形式でテープ起こしをすれば良いかを確認することをおすすめします。
また、テープ起こしの仕事の中には、テープ起こしをした内容をさらに編集するというようなものもあります。その場合はタイピングのスキルや正しい日本語の知識だけではなく、文章を分かりやすく編集したり要約したりする能力も求められます。
テープ起こしの在宅ワークの案件について
では、実際に募集されているテープ起こしの在宅ワークの案件にはどのような仕事があるのでしょうか。
テープ起こしの仕事を受注する際におすすめなのはクラウドソーシングサービスです。クラウドワークスやランサーズ、ココナラなど色々なサイトがありますが、ここではクラウドワークスで募集されているテープ起こしの案件を見てみましょう。
セミナー形式の動画の書き起こし
作業内容:10分~20分程度の動画の書き起こし
報酬:15円/分
漫画動画の書き起こしとキャプチャ保存
作業内容:YouTubeにアップされている5分ほどの動画のテープ起こしとキャプチャ画像の保存
報酬:150円/1件
ラジオドラマのテープ起こし
作業内容:演者が1名~2名で1時間~3時間程の長さのラジオドラマの台本作成
報酬: 6,000円~12,000円/1件(1時間~3時間)
クラウドワークスではこのような案件が募集されていました。テープ起こしでは、音声や動画の長さが10分だから10分で終わるというわけではありません。作業時間は音声の長さの3倍は掛かると思っておいた方が良いです。そのあたりも考慮して案件を選ぶことをお勧めします。
まとめ
以上、テープ起こしの在宅ワークについて、作業内容や必要なスキル、実際に募集されている案件をご紹介しました。
音声入力ツールが発達してきているとはいえ、まだ一般的に浸透しているわけではないので、今後もしばらくはテープ起こしの仕事は廃れないと思います。
ただ、報酬が安いものも多く、下手をすれば時給300円以下になってしまう場合もあります。テープ起こしで稼ぐには、うまく案件を選ぶことと、スキルアップして作業スピードを上げていくことがポイントです。